絶対王子は、ご機嫌ななめ
夢の世界から目を覚ますともう外は明るくなっていて、頭だけを動かして時計を見ると朝の九時を回ったところ。
「もうこんな時間……」
出来れば起き上がって、大きな窓から外の景色を見たいところだけど。私の身体は政宗さんにがっちり抱きしめられていて、身動き一つできない。
まあそれはそれで、嬉しかったりもするんだけど。
なにしろ昨晩は、自分の持っていた知識をはるかに超えることばかりされてしまって……。その余韻の残る身体は、アチコチ痛みを発している。
でも辛さより嬉しさが優っているのは、政宗さんが優しく丁寧に愛してくれたから。初体験の私を気にして『大丈夫か?』とか『俺に全部任せておけ』なんていう姿は、いつになくしおらしくて。そんな政宗さんに、キュンと胸が疼いてしまったりもした。
でも所詮、政宗さんは政宗さんで。最終的には彼の好きなようにされてしまい、私は次から次へと襲ってくる快感に為す術もなかった。