絶対王子は、ご機嫌ななめ
「……え? これって、もしかして私?」
毎朝鏡で見る顔だ、間違えるはずがない。
でもどうして? 私、なにか犯罪でも犯しちゃった? 一般市民、しかも下の下。そんな私がテレビに映っちゃってもいいの?
頭の中は大パニック!
それでも何か情報はないかと、テレビを食い入るように見ると。画面右上に『曽木政宗プロ。優勝&結婚、ダブルおめでた!!』の文字が。
「ダブルおめでた!?」
確かに政宗さんは昨日の大会で優勝したし、そのお祝いパーティーの席で結婚宣言もしたけれど。まさかワイドショーのトップニュースで大々的に取り扱われるなんて誰が想像する? しかもどこから集めたのか、私の情報や写真も出ていて。
「お母さん……」
MCが話している内容を聞いて、それは母親しか知らないことだと項垂れた。
あの人、ミーハーだからなぁ。政宗さんのことも気にいってたみたいだし、なんでもあることないこと話しちゃったんだろうなぁ……。
諦らめにも似た大きなため息を漏らすと、頭の上にぽすっ手が乗せられた。