絶対王子は、ご機嫌ななめ

「他ごと考えて食ってるから、そういうことになるんだ。気をつけろ」

政宗さんはそう言うと私からペットボトルを奪い、それをゴクゴクと飲み始めた。

えぇっ!? そのお茶って、政宗さんのだったの? 政宗さん何気なく飲んでるけど、それってそれって……。

間接キッスーーーッ!!

って、何驚いてるのよ私。間接キスくらいで、そこまで驚くことないじゃない。だって私と政宗さんは、昨日キス……しちゃってるんだから。

でもなぜだか、間接キスのほうがエッチに感じてしまうのは私だけ? 恋愛経験のない私には、どれもこれも刺激が強すぎて困ってしまう。

意識しすぎ? いやいや、意識するでしょ!

顔も体も暑くって。

ホントにもう! どうしてくれるの~!!

「面白いやつ」

「え?」

「なんでもない。化粧とかは、あっちに着いてからでもいいな?」

「はい……」

政宗さん、今なんか言ったよね? 気になるんですけど。

でも当の本人は、いつもの無愛想な顔に戻っていて。何事もなかったように、アクセルを踏み込んだ。



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