絶対王子は、ご機嫌ななめ

「別に怒ったわけじゃないから泣くな。って俺の言い方がいけないんだよな、悪い」

なんだか慌ててる政宗さんは子供っぽいし言い方もなんとなく可愛くて、手はまだジンジン痛むのにクスッと笑ってしまった。

泣いてるのに笑うなんて自分でも意味がわからなくなって、泣き笑いのどうしようもない顔のまま政宗さんに突っ込む。

「そうですよ、政宗さんが全部いけないんです。火傷の傷が残ったら、どうしてくれるんですか?」

別に深い意味は無い。ただ笑ってしまってバツが悪いからと、ついでに言っただけの言葉。なのに政宗さんはう~んと唸ってみせると、水で冷やしていた私の手を持ち上げ、火傷の傷に唇をそっと押し当てた。

傷はヒリッと痛むのに、驚き過ぎて声が出ない。それどころが、この状況が何を表しているのかわからない私は、その場で固まってしまった。

「やっぱりこれは、責任取るしかないな」

また出た! どうしてすぐに“責任とる”になっちゃうのかなぁ。政宗さんの言う“責任”って、=結婚ってこと?
もしそうだとしたら、そんな“責任”なんて言葉、政宗さんの口から聞きたくない。



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