絶対王子は、ご機嫌ななめ
政宗さんに話したところで、何かが変わるわけではない。だけど言わなきゃ言わないであとが怖いから、ここは正直に話すべき?
しょうがないかとため息をこぼすと、政宗さんに向き直る。
「今晩から二泊三日、家に誰も居ないんだったなぁと思い出しまして。ご飯とかどうしようかと悩んでた次第であります」
アハハと照れ笑いすると、チラッと政宗さんの顔を窺う。
すると政宗さんは何回か頷いてから「なんだそんなことか」とポツリ。
なんだそんなことかって……。私には一番重要な事なんですけど。
人間食べなきゃ元気が出ない。そうでしょ?
なんてことを言っても、また馬鹿にされるだけ。しばらく何も話さずおとなしくしていると、また車を走らせた政宗さんは、この辺で一番大きな複合施設の駐車場に車を停めた。
「買い物行くぞ。歩けるか?」
「あ、はい。でもどうしてここに?」
「夕飯の食料と、おまえの着替えとか買わないといけないだろ」
へ? 夕飯の食料は分からなくもないけれど、なんで私の着替えまで買わなきゃいけないの?
言ってる意味が全くわからず、キョトンと政宗さんを見つめる。
「なんだ、その顔は? 俺の言ってることが分からないのか?」
もう見飽きた政宗さんの呆れ顔に向って、首を立てに何度も振ってみせた。