熊と狩人
一週間後、狩人はふたたび森を訪れた。川沿いに歩いて、熊に出会った場所へむかった。
迷わぬよう、木に印をつけながら歩いていると、茂みの中にうずくまっている熊を見つけた。
こちらに気づくと、熊はまた立ちあがった。
「どうした、また迷ったのか?」
「いや、今日はあんたに用があって来たんだ」
「おれに用?」
狩人は、ゆっくりとひとつ呼吸してから言った。
「森でのふるまい方を、おれに教えてくれないか?」
熊は目を細めた。
「どういうことだ?」