ピースオブメモリーズ
「うる……さい!!」
全力疾走する。
すると、私の家が見えてきた。
時雨は、追いかけてきているだろうか。
足が速い方の私は、学校の男子すら離すことができた。
急いで鍵をとりだし玄関をあけ、二階の自室へ走り込む。
そして、ベッドに倒れ込んだ。
「はぁはぁ………っはぁ…なんなの……この頭痛………」
少々痛みも弱まってくる。
「……喉、乾いた。」
階段を降りて、水を取りに行く。
リビングは静まっていた。
仕事にいって夜遅いお母さんに、単身赴任で全然帰って来ないお父さん。
そりゃ静かなわけだ。
冷蔵庫にあったミネラルウォーターを取り出し、部屋に戻る。
そしてベッドに座って、一気に飲み干した。
「っぷはぁぁああ………うまい。」
さっき走って疲れた私は、突然襲ってきた睡魔に身を預けた。