ピースオブメモリーズ



私は泣いていた。

酷く胸が痛んで、物凄く熱い。




畳には、幾つものシミができていた。









「大丈夫だ。波瑠。」






時雨は、大泣きする私の側に寄って肩に手を置いた。




知ってる。




やっぱり、知ってる。





なんで思い出せない。





思い浮かぶ情景は、事故現場と病室だけ。






やはり病室の少年は時雨に似ている。






「ごめんなさい、時雨。」





名前を呼んでみる。

懐かしい感じ。




時雨は黙って俯いていた。





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