ピースオブメモリーズ
追想。
___ブワッ
校舎の昇降口から出て、物凄い桜吹雪が襲ってきた。
季節は春。
しかし、まだまだ寒かった。
「うぅ……寒っ」
私はお気に入りの赤いチェックのマフラーを、肩よりちょっと伸ばしたストレートが自慢の黒い髪に巻きつけて、余計に長い校門への道を歩いて道路に出た。
ちょっと歩くと、もう慣れた東京の都会の街並みが見えてくる。
「やっぱ寒い」
私は、寒さに負けて走って帰る。
私の通っている、翠ヶ丘高等学校からはほど遠い、一軒家が揃った住宅街に走り込む。
「ねえ!そこの子♪」
とっさに振り向くと、ガラの悪いヤンキー三人組がいた。
「おっ!当たり~♪可愛いじゃん!遊ぼうよ。」
そして、腕を掴まれた。
「ちょっ!止めて下さい!」
「えー!いいじゃん。遊ぼうよ。」
仲間らしき奴らが笑う。
「おい!」
遠くから、男の声がした。
「大丈夫か!」
誰かがくる。
「チッはやく遊ぼうぜ」
の前に連れていかれそうになる。