愛しいカタチの抱きしめかた

/2ー4・ピーターパンシンドローム

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2ー4・ピーターパンシンドローム
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十二月――


今年最後の一枚のポップなカレンダーは、クリスマスイブと当日がとてもカラフルに彩られていた。赤と緑、他にも色とりどりの彩飾で。


『一緒に過ごしませんか?』――あの声が頭に響く。




日一日と寒さが増していく朝の登校時間、玄関を開けると、門扉の外ではマフラーで口元まで覆っている百瀬。着ているものこそ違うものの、夏から変わらない姿がそこにあった。


「みーちゃん、おはよう」


百瀬が口を開くと黒縁眼鏡のレンズが白く曇る。マフラーがマスクと同じ効果を出しているらしい。


「おはよう。ラーメン食べるときもそうなるよね」


「今の時期、温かいものだと全般だけどね。ラーメンは昨日の夜中まさしくそうだった」


気まずくなるのが嫌で、わたしからそうなるような話題は出さない。百瀬も、何も言わない。


「テスト勉強?」


「うん。って、みーちゃんは? 今はテスト期間じゃないか 」


「暗記したから大丈夫」


「……英語だもんね。今日は」


その教科が嫌いなわたしは、教科書の範囲を丸々暗記する。そうすれば七十点は固い。……でも、今回はあまり作業がはかどらなかったから期待はしてないけど。


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