愛しいカタチの抱きしめかた

／2ｰ2・初恋の思ひ出

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2ｰ2・初恋の思い出
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一週間後。


部活が早く終わり、たまにはと百瀬を迎えに行くことにする。いつもは準備出来次第連絡して昇降口で合流している。


夏以来、なんとなく下校は必ず一緒になってしまった。


小夜と大輔は部長会議で今日は部活を休み。ふたりはもう帰ってしまい、ひとり静かに図書室の扉を開けると、長い机の端の席に百瀬の鞄だけがあった。わたしはそこを通り抜けて奥へと歩いて鞄の主を捜索する。


本棚が並ぶ空間、その真ん中の通路で左右交互に視線を走らせ歩く。古びた背表紙たちの色彩に目が痛むことはないけど、なんだか首を振りすぎて眩みそう。


前回の帰り際、本を戻しにいったところとは違う場所の本棚の間で目的の人は見つかった。私の気配に気づき、百瀬はとても嬉しそうな顔をする。


「みーちゃん」


「今日は、早く終わったから来てみた。小夜と大輔は帰っちゃったよ」


「あー。そうなんだ」


そして――


「っ」


こんなことはあの日以来。突然に、手をとられて百瀬に引き寄せられ、その腕の中にくるまれていた。あの日以来、わたしが頷くまでは絶対になかったことだ。それを、今。


「お迎えなんて可愛いこと、みーちゃんがするからいけないんだ」


その腕は、いつもより力強かった。

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