考えが甘いんだよ【短編】
さぁ行こうか?
「や、や、やっぱっ、無理!!!!」
「菜津美!ダメでしょう!?」
「そうだよ、なっちゃんがんば「拓弥くぅんっ!帰ろぉっ?」
「私ともぉっ」
「はいはい、2人とも帰ろうぜ。」
「待って!た、巧弥くん。お話があります!」
「は?何?ここでいい?」
「いや、それはちょっと…」
「はぁ?面倒くさ。待っててな。2人とも!」
面倒くさ…かぁ。
めげるな私!!
というわけで人気のない階段に来た私達。
「で?」
「えっと、あの、なんで私と付き合ってるのかなって、思って…」
「は!?それはその、あれだ。一途だってことを他の女子にアピールしたいからに決まってんじゃん。」
「え…。」
「話それだけ?」
「いや、まだあるの。ねぇ、巧弥くん。」
「だから何?」
「別れよう?」
えっ!?
「…はぁ!?」
いや、そうじゃない!!
順序がちがーう!
「なんでだよ?」
「だ、だって付き合ってても意味ないもん!」
「は…?」
「冷たいし。彼女なのに全然優しくしてくれないじゃない!!」
「ごめん。」
「浮気だってするし。大切にしてくれないし。」
あー、涙出てきそう。
「菜津美…本当ごめん。俺、愛されてるかわかんなくて。初めて女を可愛いって思ったし、初めて好きになったんだ。だからすげぇ不安で。でも菜津美のこと傷つけて、本当ごめんな?」
名前…
今更呼ばないでよ。
泣きそうで下を向く私の肩に優しくそっと手をのせる巧弥くん。
「巧弥くん…
触らないで、虫唾が走る。」
「はっ!?」