メガネのヒメゴト
唇のやわらかさ、肌と肌の密着感。


部屋の空気との一体感。


そんな感覚を楽しんでいると、以前どこかで体験したような感覚に陥った。


ベッドのスプリングの下からミシミシする音が普段より大きい。


一気に絶頂に到達してしまいそうだ、これは。


カラダが忘れかけていた快感が目覚めかけている。


カラダの熱で揮発した香りを思いっきり吸い込み、目の前が真っ白くなる寸前、彼ではないあの顔が赤い枠の中いっぱいに飛び込んできた。


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