何も知らないふりをして

教室に戻ってすぐ、担任が来てクラス発表が始まる。

「えー、じゃぁ出席番号順にそれぞれ名前と2年のクラスを言っていく。よく聞いておけよ。言われたら返事しろ。」

担任のその声で、ざわざわしていた教室が静まる。

「じゃぁ行くぞ。――――芦影 光!B組!」

「、はい」

そう言えば私一番だっけ、と思いながら返事をした。

「飯田 祐樹!C組!」

「ハイ」

「上原 桃!A組!」

「はい」

どんどん名前が呼ばれていく。

なんだか皆どきどきしてる。

こういう時一番だと、なんか、心臓が安全だよね。

まぁ、…どっちにしてもどきどきはしないけど。

あ、でも担任の先生は大切じゃん。

えーっと、誰だっけ。私B組だよね?

あ、今と変わんないじゃん…。

そう思って、教卓に立つ先生を見た。


トモノセ ヒロアキ。30代…前半?男だ。

名前の漢字は…えっと。

確か、…友之瀬 宏彰。みたいなやつ。

面倒くさい名前だな…。


「高間 理紗!C組!」

「はい」

あ、理紗と離れた。

…ま、大丈夫だろ。


クラス発表は着々と進んでいった。


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