夏の短編【2作品】
さらりと触れた腕、一瞬だけあった目。


それらの行為が私の胸の鼓動をはやめていた。


「どうしたの?」


私の異変に気づいたのか、楓芽が不思議そうに聞いてきた。


「…ううん、なんでもないよ」


ばれないようにすこしだけ無理して口の端をあげた。


「って、あつっ!」


「うわ…ほんとだね。焦げそう」


「焦げそうって」
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