つかむ、その手。
葵side.


ソファーで寝ためぐを見ながら
俺となつきはしゃべる


「....やっぱ、まだいるんだな....
"自分の子供を愛せない親"って」



たまに....ほんと、たまに....
めぐを養子として....俺が引き取ったのを
忘れそうになるときがある



強がったり、笑顔を見せたりするから....
....心に傷を抱えてるなんて忘れちゃうんだ



「....あたし、思うんだよね....
産まなきゃよかった、なんて親はいないって



ただ、




どこかでボタンを掛け間違えたみたいに、
少しずつズレてきちゃって


愛せなくなっちゃうんだろうな、って」
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