つかむ、その手。

『....で?今どんな感じなの?』



お弁当を広げながら紗理奈をみる



「....離婚するのね、それでお母さんについてく
....でも....ほんとは、一人がいい。
この間ね、お母さんが久しぶりにいたから
隣で....いっしょにご飯食べようと思ったの」



後半は知らないな、なんて思いながら
なつきのつくったおにぎりを食べる



「隣に座ったら....」



なんとなく、
なんとなくだけど少し予想がついてしまった


聞きたくないな、言わせたくないな
そう思ってしまった



「私から離れるかのように距離を取られた
....びっくりした....」



泣きたいけど泣けない、そんな表情をする
紗理奈をみてると




脳裏にチラチラと過去が映った
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