つかむ、その手。
ー14年前(3歳)ー

「聞いてねぇぞ?!あんなガキいるなんて!」


「っ....言ったら離れてくじゃない!」



大きなマンションのとある部屋
そこが、あの女と私が暮らしてた場所


私は常にとある部屋にいた

そして、女は毎日違う男を連れてきていた


幼かった私は....お母さんの友達
その程度にしか認識していなくて

なんで、毎日くる人たちと喧嘩してるのか
不思議に思ってた



「....はぁ........あんたのせいで台無しよ」


ドンッと目の前にシリアルの入ったお皿を
だされる

このときはまだ、育児放棄までは
いってなかった

ただ、


『....め、しゃい』


後から聞いた話じゃ、
明らかに周りの同年代の子と比べて

発達が遅かったらしい


「最悪........なんで産んだんだろ....」


言葉の意味はその頃はわからなかったけど、
雰囲気でいいことではないのは分かってた
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