つかむ、その手。
これでもか、ってほど泣いた私は
大人しくお兄さんに抱っこされてたらしい


「萌ちゃん、ままね、ちょっと遠くに
行ってくるって....バイバイしにいこっか」


"まま"っていう単語に反応した私は
ぐずぐずとまた泣き出しそうになってて


『まぁ....』


「!....バイバイしにいこーね」


お兄さんに抱かれてお母さんが
いたという部屋に連れてってもらった



「失礼します」


警察の人が2人とお母さん
そして、病院の上の方の人であるあおいの両親


『....まぁ、ま....』


私は自分を見つめてるお母さんに
手を伸ばす


けど、



「っ....あんたのせいで....あんたのせいで!
あたしの人生めちゃくちゃよ!!
あんたなんて....



いなきゃよかった!!!」



その手が届くことはなかった


このときのことはなぜか覚えてるんだ
言葉の意味なんてわかんないはずなのに

なぜか、



心がずたずたにされたような....
....痛い、と思った
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