指切り
二人言
「まったく今の子は話が通じなくて困るわぁ」
「たく…亜癒のやつ…ちょっと殴ったぐれぇで涙目になってよ…!!」
「ホントよね!!亜癒はすぐ泣くから私とお父さんで鍛えてやってるのに…」
「そうだよなぁ!!亜癒は泣き虫でしょうもないから鍛えてるのに、亜祈はそれを虐待だとか言いやがって…」
男は深いため息を吐き呆れたような顔をする。
女もそれを見て頷く。
「そうよねぇ!!全く…」
男は女を抱き寄せて耳打ちした。
「俺の味方はお前だけだな。」
甘い声で囁く。
女はそうにされるのが好きらしい。
「もう…お父さんたら…」
女は顔を真っ赤にして照れたようなしぐさをする。
「じゃあ、電気消すぞ。」
女は寂しそうに俯く。
「おやすみのキス…は?」
女は唇を突き出しながら男を上目遣いで見つめた。
男もそんな女が好きなようでやわらかく微笑み女の頬にそっと触れる。
「ん…」
男は女の唇に深いキスを落としたあと
「おやすみ」と言い布団に潜った。
女もそれに続いて「おやすみ」と言って
部屋の電気を消した。