悪魔の目
ドス!
僕は気がつくと、怒りのあまり三島にタックルしていた。周りは騒然となり、みんなが好奇な目で僕を見る。
「…コラ!優太!あんた何やってるの!」
バチン!
「うわーーーん!」
母親が僕の頬を平手打ちした。
「だって、だって、こいつが悪いんだ!」
僕は三島を指差し、わけもわからず泣いた。どうして、三島ではなく僕が叩かれるのか。早く、早く母親に真実を伝えなければ。
「本当に先生すいません!お怪我はありませんか?優太、謝りなさい。」
「…やだ。」
「謝りなさい…!」
母親がもう一度手を振りかざした。
「優太くんのお母さん、私は大丈夫ですから。優太くん、緊張しちゃってるんだよね。さあさ、お母さんもう入園式が始まってしまいますよ。」
三島はズボンをパンパンと、2度手ではらい、会釈をしてその場を立ち去った。母親は何度も何度も深く頭を下げ、僕に叱りつけてから、僕の手を引いて入園式が行われるホールへと向かった。
頭ではわかっているのに、それを上手く言葉に表す事ができない不甲斐なさに僕はただひたすら泣いた。
こんな小さな身体では三島には歯がたたない。21歳の僕なら、あんな奴ボコボコにしてやれるのに。
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう。
入園式には真っ赤に腫れた目で参加した。その後に立て看板の隣で撮った写真には、目が出目金のように腫れた仏頂面の生意気なガキが写っていた。
僕は気がつくと、怒りのあまり三島にタックルしていた。周りは騒然となり、みんなが好奇な目で僕を見る。
「…コラ!優太!あんた何やってるの!」
バチン!
「うわーーーん!」
母親が僕の頬を平手打ちした。
「だって、だって、こいつが悪いんだ!」
僕は三島を指差し、わけもわからず泣いた。どうして、三島ではなく僕が叩かれるのか。早く、早く母親に真実を伝えなければ。
「本当に先生すいません!お怪我はありませんか?優太、謝りなさい。」
「…やだ。」
「謝りなさい…!」
母親がもう一度手を振りかざした。
「優太くんのお母さん、私は大丈夫ですから。優太くん、緊張しちゃってるんだよね。さあさ、お母さんもう入園式が始まってしまいますよ。」
三島はズボンをパンパンと、2度手ではらい、会釈をしてその場を立ち去った。母親は何度も何度も深く頭を下げ、僕に叱りつけてから、僕の手を引いて入園式が行われるホールへと向かった。
頭ではわかっているのに、それを上手く言葉に表す事ができない不甲斐なさに僕はただひたすら泣いた。
こんな小さな身体では三島には歯がたたない。21歳の僕なら、あんな奴ボコボコにしてやれるのに。
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう。
入園式には真っ赤に腫れた目で参加した。その後に立て看板の隣で撮った写真には、目が出目金のように腫れた仏頂面の生意気なガキが写っていた。