悪魔の目
ドンッ!
鈍い音が周囲に響く。その瞬間、僕の身体は宙に舞った。一瞬見えた少女の顔は、ほんの少し笑っているように見えた。
皮肉にもその笑顔はとても可憐で、心を奪われた。でもとても悲しそうな笑顔。
ああ、なんて最悪な誕生日プレゼントだ。こんな事になるなら、1日大人しく家に篭っているべきだったのかもしれない。
誰かが職場にキチンと連絡をしてくれるだろうか。葬式は誰があげるのだろう…。死後の世界では、死んだ母親と父親に再開できるのか。
一瞬のうちにめまぐるしく、色々な事が脳裏に浮かぶ。
不思議と、恐怖はあまり感じなかった。
大好物のメロン味のアイスは、僕の手から離れ、太陽に反射してキラキラとエメラルドグリーンに輝いていた。
無残にも地面へぐしゃりと落ち、その瞬間僕も気を失った。