ミク。
学年が五年生に上がって半ばぐらいの時、まだなんとか出入りをしていた部活で何処かの大会に行く直前だった為、少し遅くまで部員全員で練習をしていた為、すっかり暗くなってしまった廊下をとぼとぼ1人で疲れて帰っている途中、不意に誰か数人に呼び止められた。

『ミク、ちょっと戻って来て?』

[ねぇ早く!]

《お前普段相手にされてないんだから嬉しいだろ?来いよ?》

………………………またかよ。また、グループ行動の連中かよ……………。
と頭で云いつつ、わざとゆっくりソイツ等の方へ向きを変え、足を進めた。……………どぅせ、ロクな事じゃないのは分かってるけど、無視したらしたらで、後から余計集団で何かとやってくる。だったら今それなりに対処しとけば後が怖くない。なんて、すっかりイジメという環境に順応したヒトみたいになって近くまで行くと、そこで止まって。と言われたので止まった。もちろん、ソイツ等の目的はその場にカカシのように突っ立っている姿を見せろというものでは無く、他に呼んだ目的はあるが、まず必要以上近付くな。次の命令を一定の距離を守って聞いて実行しろ。というもの。……………ったく、クソガキくせぇ奴等。
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