ミク。
胸下あたりまである艶やかな漆黒の髪と同色の瞳を称える長い睫毛。形の良い唇と健康的な白さが美しいきめ細かい肌。とても十二歳、前後の少年のものとは思えない美貌と色気。……………………この子を守りたい。守って一番良い結末に辿り着けるようにしてあげたい。という気持ちに任せて珠里夜は口を開く。
《当たり前です。だから冬というニックネームを付けて差し上げたのです。》
「うん。ありがとう」
頷いてにっこりと爽やかな笑顔を見せてくれた少年の為に出来る事。それは内密に答えを導き出し、本来とは少し違うレールの上に彼等をそっと乗せてあげる事だ。
《冬。貴方は軍人になります。それも立派な指揮官。総指揮官になるのです》
「…僕が軍人…ですか?」
現在、まだ通過すべき道を何一つ通過していない本人はうわー‥‥。面倒くさそぅ。絶対ならないし。なんて心で云って苦笑を浮かべているが、この子がこれから持って生まれた美しさと色気の為に傷つき汚されて心が壊れていく中である出会いをさせれば少しだけ未来を変えられる事を、彼女だけは魔女としての力で覗き、しっかりと見透していた。
「今は良いのですよ。何も知らずに居て下さい」
《当たり前です。だから冬というニックネームを付けて差し上げたのです。》
「うん。ありがとう」
頷いてにっこりと爽やかな笑顔を見せてくれた少年の為に出来る事。それは内密に答えを導き出し、本来とは少し違うレールの上に彼等をそっと乗せてあげる事だ。
《冬。貴方は軍人になります。それも立派な指揮官。総指揮官になるのです》
「…僕が軍人…ですか?」
現在、まだ通過すべき道を何一つ通過していない本人はうわー‥‥。面倒くさそぅ。絶対ならないし。なんて心で云って苦笑を浮かべているが、この子がこれから持って生まれた美しさと色気の為に傷つき汚されて心が壊れていく中である出会いをさせれば少しだけ未来を変えられる事を、彼女だけは魔女としての力で覗き、しっかりと見透していた。
「今は良いのですよ。何も知らずに居て下さい」