【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「美沙なら売り付けられてもいいかな」
俺らの視線は交じり合ったまま、動くことも、声を発することもできなくなっていた。
言った俺自身も自分の言ったことを信じることが出来なかった。
瞬きさえも忘れるくらい見つめ合い、お互いに何かを探り合っていた。
やばい・・・なんで俺はこんなことを言ったんや?
このままの流れで告白するか?
それとも冗談にするか?
俺の中では葛藤が始まっていた。
テレビでは、お昼のニュースが始まっていて、
『明日の夜の天気は大荒れになるでしょう』
と、お天気お姉さんさんが、笑顔で言っているのだけが耳に入って来た。
見つめ合いながら、お互いに口を開くのを待っているようだった。
告白するか、冗談にするか、二つに一つ。
俺は・・・・・・。
一つの決断が下された。