【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「美沙、一緒に行かんかったんか?」
頭を撫でてる手をどかして、美沙に聞いた。
「旅行?だってさ、母さんたち初めから4人で行くつもりやったみたいやし」
美沙は、キッチンに向かいながら呆れ顔で言った。
「そっか」
恋人同士なら親が旅行でいないなんて、願ってもないチャンスやけど、俺らは『偽装恋人』恋人のフリをしてるだけ・・・。
進展なんてあるわけがない。
望むべきでもない。
「お昼、オムライスでもいい?」
キッチンから自分の家から持ってきた材料を出して俺に確認してくれた。
「うん。ありがとう」
「准、着替えてきたら?」
「あ、うん」
またやってしまった・・・情けない格好してるし・・・。
俺は、美沙が昼食を作っている間に着替えに行った。