【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「ごめん。歩くの速いよな?」
「いいよ。電車の時間あるし」
「時間は大丈夫。余裕あるから。これがいつものペースやから」
さりげなく『いつもの』の部分を強く言って、足の長さがお前とは違うんやで!とアピールしていた。
「そうなんや」
くくく・・・こりゃ、やめられへんな!
あの美沙がおとなしい!こんなチャンス滅多にないぞ!
「彼女は連れて来ないの?」
彼女?
あぁ、そう言えば、付き合ってないって否定してなかったっけな。
まぁ、いいか・・・。
「あぁ、うん。男友達連れて行くわ」
「ふぅん」
なにその返事。なんか文句あるんか?
「ところで美沙のクラスは何をするん?」
「メイド喫茶」
「えっ?」
メ、メイド喫茶?
美沙がメイド服に身を包んでいる姿を想像してしまった。
いやいやいやいや・・・こいつがあんな服を着るわけがない!
そうそう・・・この女が・・・。
ちらっと、隣に目をやると、当たり前だが制服姿の美沙がいる。
濃紺のブレザーに短いスカートから見える長い足。
この前は膝丈のスカートやったけど、制服はめっちゃ短いやん!
膝上何センチや?
これだけミニにしても似合うから文句も言えないし・・・ってか、電車とかで痴漢されへんのやろうか。
余計な心配をしながら、駅への道を歩いていた。