【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~


「ごめん。歩くの速いよな?」


「いいよ。電車の時間あるし」


「時間は大丈夫。余裕あるから。これがいつものペースやから」


さりげなく『いつもの』の部分を強く言って、足の長さがお前とは違うんやで!とアピールしていた。


「そうなんや」


くくく・・・こりゃ、やめられへんな!


あの美沙がおとなしい!こんなチャンス滅多にないぞ!


「彼女は連れて来ないの?」


彼女?


あぁ、そう言えば、付き合ってないって否定してなかったっけな。


まぁ、いいか・・・。


「あぁ、うん。男友達連れて行くわ」


「ふぅん」



なにその返事。なんか文句あるんか?


「ところで美沙のクラスは何をするん?」


「メイド喫茶」


「えっ?」


メ、メイド喫茶?


美沙がメイド服に身を包んでいる姿を想像してしまった。


いやいやいやいや・・・こいつがあんな服を着るわけがない!


そうそう・・・この女が・・・。


ちらっと、隣に目をやると、当たり前だが制服姿の美沙がいる。


濃紺のブレザーに短いスカートから見える長い足。


この前は膝丈のスカートやったけど、制服はめっちゃ短いやん!


膝上何センチや?


これだけミニにしても似合うから文句も言えないし・・・ってか、電車とかで痴漢されへんのやろうか。


余計な心配をしながら、駅への道を歩いていた。



< 15 / 220 >

この作品をシェア

pagetop