【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
俺らの学校は同じ方向のため、同じホームで電車を待っていた。
やってきた電車はいつも通り、満員。
俺は、何も考えず、電車に乗り込み、いつものように窓側を向こうとしたら・・・。
美沙・・・。
俺の顔を覗き込む美沙の顔が目の前にあった。
その瞬間、電車の揺れで、俺らの間に隙間がなくなった。
「ちょっと、なにするんよ!」
「しかたないやろ、満員なんやから」
そう、したかない。
この満員電車で距離をおくのは不可能やから。
美沙もどうやら今の状況を飲み込んだらしく、何も言い返して来なかった。
そして、再び電車が揺れて、美沙の体重が俺の方にかかってきた。
とりあえず、美沙に胸を貸すような状態になった。
「ごめん」
美沙が俯きながら言い、離れようとする。
「意地張ってないで、俺にもたれかかっておけよ」
美沙の背中に腕を回し、自分の体に引き寄せた。
その瞬間、おやじくさい満員電車が美沙のシャンプーの爽やかな匂いに変わった。
めっちゃいい匂いやし。
「ごめんね」
くぅ〜!なんてかわいいんや!
戸惑いながらも、上目遣いで言ってくる美沙に俺はノックアウト寸前!
うわっ・・・・・・俺のが反応してしまってる。
やばいって!
俺は、美沙に悟られないように腰を引く。
しかし、こういう時に限って電車は大揺れする。
ゲッ!美沙の体に・・・俺のが密着する・・・万事休す!!
いや、その・・・なんだ・・・。
俺の頭には意味の成さない言葉しか出てこなくなっていた。
そして、恐る恐る、美沙の顔を見ると・・・。
あぁ・・・見なきゃよかった。