【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「美沙、ごめん!」
美沙に向かって土下座して謝った。
「すまん。俺・・・許してもらえるとは思ってない・・・」
つまりながらも、誠意を見せようとしていた。
「くくく・・」
頭の上から笑い声が聞こえてきたので、ゆっくりと顔を上げると、美沙はソファの上で笑い転げていた。
はぁ?
なんで笑ってるんや?
あっ!
騙された!
ようやく状況を理解し、胸を撫で下ろした。
「准の慌てふためく姿ったらないし・・・あははは・・・」
「もういい加減にしてくれよ・・・俺は本気で焦ったんやからな・・・」
朝食を摂りながらも笑い続ける美沙に膨れながら言った。
「そんなにやばかったん?」
首を傾げながら聞く美沙に、顔が真っ赤になるのがわかった。
やばかったなんてもんじゃないし。
どれだけ痣ができてると思ってるねん!
体中の痣は一晩で10個を越えていた。
「お前なんかに欲情するかよ」
なんとも弱い口調で言う俺に、ニコリと笑う美沙には余裕が見られた。
見透かされてる感じがするし。
はぁ、とんだ失態をおかしてしまったなぁ。
「准、今日は補習あるん?」
「あぁ」
「もう7時半やで?」
「うわぁ、遅刻する!!」
慌てて美沙の家を飛び出して、制服に着替えに帰った。
やばいって・・・1限目って、田中の授業やん!朝からグチグチ言われるの確実やし。
慌てて家を飛び出し走ったが、電車には間に合わずに遅刻することが確実となってしまった。