【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
Trap13 誕生日
次の日から美沙に会わないように、家には居ずに出掛けるようにした。
できるだけ美沙のことを思い出さないように、美沙とは接点のない友達と遊んでいた。
ある日の夕食時、
「美沙ちゃん、明日から旅行に行くんやって」
と言った言葉に、つい反応しまっていた。
「えっ?」
家族旅行?
友達と?
まさか・・・男と?
「いやだぁ!准、心配しなくても、女の子の友達の田舎に遊びに行くんやって」
「べ、別に俺は・・・」
動揺するのを隠せずに噛んでしまった。
「相変わらず素直じゃないのね」
「・・・・・・」
悪かったな・・・素直じゃなくて。
「帰ってくるのは、4月3日やって」
「4月3日・・・誕生日・・・」
その日付に無意識のうちに反応していた。
「あら、准、よく覚えてたわね。美沙ちゃんの誕生日やね。そう言えば、准の誕生日は明日やね〜。美沙ちゃんがいなくて寂しいね」
マシンガンのように話し続ける母親を無視して、黙々と箸をすすめていた。
美沙の誕生日かぁ・・・。
健吾は何かあげるんかな?
そもそも美沙の誕生日を知ってるんか?
・・・・・・別に俺には関係ないし。
なんであいつと美沙がうまくいくようにする必要なんてないし。
苛立っ思いを抑えれないまま、眠りにつこうとしたが、なかなか寝付くことができなかった。