【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「いらっしゃいませ」
次の日、俺は片道3時間かけて、美沙へのプレゼントを買いに来ていた。
「あの・・・岬さんにお願いしてたんですけど・・・」
「お伺いしています。少々お待ちくださいませ」
ようやく手に入る物を目の前にできることで、胸が躍っていた。
「お待たせいたしました。こちらでよろしいでしょうか?」
店員がゆっくりと開けた箱の中には、探し求めていたピンクのネックレスが光り輝いていた。
これかぁ・・・美沙に似合いそう・・・。
「はい。これをお願いします」
ほころぶ口元を押さえて、目の前のネックレスを購入することを決めた。
こういう時、小遣いをコツコツ貯めていてよかったと感じる。
会計を済まし、ラッピングをしてもらってる間にも、すぐに笑顔になってしまう顔を我慢しようと、下唇を噛んでいた。
「お待たせしました」
手渡された白い箱には、ピンクのリボンがかけられていた。
受け取ると、さらに胸が高鳴ってくるのがわかった。
やばい・・・もう緊張してきた。
渡すのにまだ日にちあるのに。
渡す日になったらどうなるんやろう・・・。
はぁ・・・。
電車の中でも美沙がネックレスをつけているのを想像しして、ニヤニヤしていた。
扉のガラスに映る自分の姿を見ながら、ずっと美沙のことを考えていた。
いつも美沙に助けてもらってたような気がするな・・・。
最近だって・・・母さん達がいないときは、飯を作ってもらってたし・・・。
俺も何かしてあげたい・・・。
あっ、そうや!
一つの案が浮かんだ。