【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
Trap3 ご主人様
「お帰りなさいませ、ご主人様」
そんな声が教室の中から聞こえてくる。
俺と健吾は美沙の学校の文化祭に来ていた。
「どこや?女王様は?」
キョロキョロと教室を覗いている健吾の腕を肘でつつきながら、
「お前な!恥ずかしいことを言うな」
と注意した。
恐る恐る、店の中に足を踏み入れると・・・。
10人ほどのメイドさんが迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
普段、メイドに興味がない俺でもなんだか嬉しくなってしまう。
隣の健吾も鼻の下を伸ばしていた。
俺も人のことは言えず、ニヤつく顔を必死でこらえようとしていた。
ニヤニヤしてたら、美沙に何を言われるかわからんし。
美沙はいないのかな?
俺は、美沙がメイド服姿で現れなかったのに少し安心していた。
『女王様≠メイド服』だから、きっと美沙には、ああいうフリフリの服は似合わないと准は思ってた。