【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「こちらへどうぞ」
メイドの美沙は、俺らを席に案内すると、ニッコリ笑い俺の隣に座り、メニューを差し出した。
えっ、なぜ座る?
周りを見渡すと、みんなメイドさんがテーブルにひとりついている。
キャバクラかよ!!
「あの・・・准と幼なじみってほんま?」
身を乗り出して、美沙に聞く健吾を抑えようとしたが、勢いは止めることはできなかった。
「あっ、はい」
何、この素直な返事は!
俺にこんな返事したことないし!
俺は、いつもと違う美沙を睨んでいたにちがいない。
「そうなんや・・・こんな美人の幼なじみがいてるなんてうらやましいなぁ」
「そんなことないで。こいつ気が強いし・・・いたっ!」
俺が、美沙の本性を話そうとしたら、二の腕をつねられた。
なんやねん、めちゃくちゃ痛いし!
つねられた二の腕をさすりながら、美沙を睨むと、営業スマイルで健吾と話していた。
そうやった・・・・・・この女、外面がいいんやった。
「何?准、何か言った?美沙ちゃんっていったよね?」
「あぁ、秋月美沙・・・。美沙、こいつは、俺の中学からの友達で高村健吾」
俺は、健吾に美沙を紹介すると、健吾は嬉しそうにしていた。
「よろしくね」
美沙に満面の笑顔を向けた健吾は、爽やかなイケメンとしか言い様がなく、さっきまで『女王様に会いたいな』と言ってた男には見えない。
「よろしくお願いします」
それに対する美沙も、女王様の雰囲気を一切だしていなかった。
何が『よろしくお願いします』やねん!
俺にそんな言葉使ったことないやんけ!
なんか腹立つなぁ。
それより、露出多くねぇか?
目のやり場に困るくらい、胸元が開いてるし・・・。
他の子はここまで開いてないような気がするんやけど・・・。
しかも、その営業スマイル・・・危険やって。
かわいい・・・。