【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~


「准が怒ることじゃないよ。ケンゴ君は・・・」


『准の気持ちには一生勝てないし、美沙ちゃんが俺を選ぶことはないってわかってるから、告白するね・・・。

俺は美沙ちゃんが好きです。准を見てたらイライラするから、先に告白してやった』


「健吾・・・。かっこよくない?」



俺が女やったら惚れるかも・・・。


「ほんま、ストレートでかっこいいって、思ったよ」


「えっ?」


驚く俺に美沙は笑いながら、安心させる言葉を与えてくれた。


「ふふふ、でも、断ったよ。私は回りくどい方が好きやからね」


ニッコリ笑う美沙に、自分のしてしまった行動が恥ずかしくなってきた。


「それやのに・・・俺あんなことしてごめん・・・引いたやろ?」


俯きながら、美沙の反応を伺った。


「びっくりはしたけどね。まぁ、准も男の子なんやなぁって思ったよ」


なぜか余裕のある美沙に、自分の子供っぽさが露呈されたようだった。


「・・・だっさいよな」


「ふふふ・・・。それにしても、やっと罠にはまってくれてよかった」


いたずらっ子のような笑顔を見せる美沙を見て、照れながら俺はある告白をした。


「まぁ・・・正確には2回目の告白やけどな」


「えっ?」


驚く美沙を気にもせず、話を続けた。


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