【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
自分の言ったことに後悔し、自ら動こうと立ち上がろうとした時、皿を受け取り、立ち上がる美沙がいた。
「准、よく食べるようになったんやね。昔は少食やったのにね」
そう言う美沙の顔はとても優しい顔をしていたのに、素直になれずに『うるさい』と言ってしまった。
そんな俺を美沙は『ふふふ』と笑うだけだった。
やっばい・・・ガキは俺だけやん。
キッチンへ向かう美沙の後ろ姿を見ながら、ため息をついた。
「ごちそうさま」
昼飯を食べ終えると、美沙が自分の皿を流しまで持って行くのを見て、俺も皿を持ち着いていく。
「ねぇ、准」
美沙は俺と視線を合わさずに話しかけた。
「何?」
また何を言う気や・・・。
「たまには、おばさんのお手伝いしてあげなあかんで」
皿を洗いながら、一瞬だけ振り向いて、俺と視線を合わせ、美沙が言った言葉に、
「お節介やねん。放っておいてくれ」
とガキ丸出しの返事しかできなかった。
「ほんま、ガキなんやから」
美沙は洗い物をしながら、呆れ口調で言っていた。
俺だってさ、手伝いもしないとって思うけどさ、今までしたことないのに急にしたら、変に思うやん・・・だから?できへんねん。