【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「准、これからなんか予定あるん?」
洗い物を済ませた美沙が、リビングにやってきながら、聞いて来た。
「別にないけど」
「あのぶりっ子ちゃんとは別れたん?」
美沙が笑いながら、聞いてきたことに驚いたが、俺は冷静に答えた。
「あぁ、綾香ちゃん?」
「綾香ちゃんっていうんやぁ」
頷きながら意味ありげな視線を送る美沙に俺は強がった。
「うるさいなぁ」
「いつからそんな偉そうな口が叩けるようになったんだか」
そう言いながら、美沙は准が座ってるソファーの隣に距離をおいて座った。
なんで座る?
そんな疑問も生まれたが、昼飯を作らせるだけ作らせて、「もう帰れ」とも言えなかった。
それよりも、隣に座ったことで、この前のメイド姿を思い出してしまってドキドキする自分に恥ずかしくなった。
隣でテレビを観ながら、笑ってる美沙をちらっと見ると、
小学生の時にこうやって並んで座っていた時とは違う美沙の姿に、
ドキドキが増してしまった。
いつの間にそんな体になったんや?
細いだけだった体は、今では女性特有の丸みを帯びていて、でも決して太ってるわけではなく・・・
出るところは出て、へこむところはへこんでいる。
そんな観察をしているのに気付いたのか、
「さっきから、何をジロジロ見てるんよ!」
と、俺に向かってクッションを投げてきた。
「痛っ・・・」
「准のアホ!」
「なんやと〜!」
いやいや、俺が言える立場じゃないし。
美沙の体を正直、やらしい目で見てたのは事実やし・・・。
そんなことを考えていたら、目の前の美沙はなぜかケラケラと笑っていた。
「ほんま、口だけは偉そうなんやから」
なんて、笑いながら言われた。
「悪かったな」
俺は、やっぱり美沙の余裕に負けてしまうのだった。
しばらく二人でテレビを観ていたら急に美沙が振り返った。