【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「ねぇ、准の中学の卒業アルバム見せてよ!」
「嫌」
「なんでよ!見られたら悪いことでもあるん?」
嫌や!別に何にもないけど・・・。何を言われるかわからんし。
「嫌やね」
「ふん。もういいもん」
美沙は背を向けて拗ねてしまった。
はぁ・・・お前もガキの時と変わってないし。
「わかったよ」
「ほんま?」
振り返った顔は、ものすごい笑顔で喜んでいた。
なんでそんなに見たいんだか・・・。
「じゃあ、持ってくるから待ってて」
「准の部屋まで行くよ」
えっ?
部屋までくる……?
「いやいや、散らかってるし」
「何?なんかやましい物でもあるんやね!」
そう言うと、美沙は立ち上がり、俺につかまらないようにと急いで階段の方へ向かった。
「ち、ちょっと待てよ!」
「まぁ、いいから、いいから」
よくないし!
俺は、頭の中を巡らせて、余計な物が散らかっていないか、思い出そうとしていた。
ないよな?
見られてやばいものなんてないよな?
俺の心配も知らないで美沙はどんどん階段を上り、部屋のドアノブに手をかけていた。
ガチャ
勢いよく開かれたドアから見えた部屋を眺めて美沙は、
「なぁんや、結構片付いてるやん」
とつまらなさそうな声を出した。
よかった〜。
とりあえず、余計な物は出てないみたいやな。