【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
美沙はベッドに座り、足をバタバタさせながら「はやく〜」と催促してくる。
ベッドに座ってで『はやく〜』はないやろ・・・。
健全な男子高校生は別の意味で取ってしまうで・・・?
美沙が俺の頭の中を覗き見ることができたら、絶対に殴られてるし・・・。
「はいはい。出しますよ」
本棚からアルバムを出して手渡すと、美沙から離れて椅子に座った。
「ありがとう」
嬉しそうに美沙はアルバムを開いていく。
何がそんなに嬉しいんだか・・・。
「ねぇ、准どこにいてるん?」
「ん?」
美沙はグランドで撮った学年全体の写真を見て、『准を捜せ!』に挑戦していた。
「どこ〜?」
そう言いながら、俺を捜す美沙をかわいらしいと思っていた。
「頑張って捜せ!」
「え〜嫌。准、ここに座りなさい」
美沙は自分が座るベッドの隣を叩いた。
「しょうがないなぁ」
そう言いながら嫌々美沙の隣に腰を下ろすと、美沙は俺にアルバムを渡した。
「どれよ!」
「えっと・・・」
あれ?どこやったかな?
忘れたし・・・・・・。
美沙がめっちゃくちゃ身を乗り出してアルバムを見てるから、二人の距離が近い。
なんかいい匂いするし・・・香水かな?シャンプーの匂いかな?
俺は、自分の姿を見つけられないのと、美沙からの香りで動悸が激しくなっていた。