【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「あれはさ、お前が駅前で泣いてるの見たから」
「はぁ?私が?泣いてた?」
目の前の女王様は、首を傾げて『何言ってるの?あんた?』とでも言いたげな顔をしている。
あれ?
俺の勘違い?
いや、絶対に美沙やった!
泣いてたのを知られたくなくて隠してる?
そっかぁ!それなら・・・黙っておいてやろう。
「やっぱり・・・」
「あっ!わかった!」
『やっぱり俺の勘違いやった。』というカッコつけた台詞は幻の物となった。
「あの時ね、目にゴミが入って・・・私、コンタクトにしたんやけど、痛くって、それで泣いてるように見えたんじゃない?」
はぁ?
コンタクト?
「美沙、目悪かった?」
「あぁ、准は知らないと思うけど、中学の時に急に視力が落ちてね。
中学の時は眼鏡かけてたんやけど、高校に入ってからコンタクトにしたんよ」
へ〜初耳。
今眼鏡かけてるやん。
これまた結構似合ってるのがくやしい。
美人は何をしても似合うんやな。
妙に納得している准を見下ろす美沙は、不敵な笑みを浮かべていた。