【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「私が泣いてたから心配やったん?」
えっ??
「・・・違うし」
「じゃあ、なんで追いかけて来たん?」
「そ、それは・・・美沙の泣いたところでなんて見たことないからさ・・・『鬼の目にも涙』って言うやん。弱みでも握ってやろうかな〜?って」
「あんたって、最低やね」
そう言って、美沙は両手で准の頬を力いっぱいつねった。
「痛い!痛い!やめろ!」
「謝らないとやめへんよ!」
はぁ?俺が何したっていうねん!
「ほら、ごめんなさいは?」
「ごめんなさい」
情けないと思いながらも美沙に謝った。
ほっぺたがちぎれるかと思ったし!!
俺が謝ると、美沙は、満足したように部屋を出て行った。
「くっそ〜!はぁ、めっちゃ痛いし!」
鏡を見ると、両頬が真っ赤になっていた。
あの女どんな力してるねん!
心配して損したし!