【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「嘘やろ!准!」
「はぁ?」
「あの美沙ちゃんがそんなことするわけないやん!」
はぁ?
お前さっきまで『女王様』とか言ってたやん!
「俺が嘘ついてるって言うんか?」
「そうやね。あのメイド服があんなに似合う美沙ちゃんが暴力をふるうなんて考えられへんし!」
そうや、健吾は美沙のメイド服姿しか見てないんや。
「だから、それは騙されてるんやって!」
必死に訴えたが、相手は聞き入れることはしなかった。
「わかった!お前、美沙ちゃんが好きなんやろ?!だから、俺に諦めさせようとそんなこと言ってるんやな?そうか、そうか・・・」
「はぁ?違うし!」
「強がんなって!お前が美沙ちゃんが好きなら、諦めようかな?友達の好きな女を奪うのも後味悪いしな」
「・・・・・・」
一人で納得してるし・・・。
でも、まぁ、美沙から断っておけって言われてたからちょうどいいか。
「じゃあ、俺はお前を応援するからよ!」
「・・・・・・」
はぁ・・・なんかややこしいことになりそうな・・・大丈夫かな?ってか、俺が美沙のことが好きだなんてありえへんし!
ほんまありえへん!
あんな女と付き合ったら、体がいくつあっても足りへんし!
絶対に殺される・・・。
嫌だ・・・まだ生きたい。
再び死への恐怖に怯えていた。