【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~


「あれって、彼氏?」


結構、頑張って言った言葉やで?


それやのに・・・。


「准には関係ないでしょ」


と切り捨てるように言われた。



・・・・・・確かに。



俺らはただの幼なじみで、幼なじみというよりは、『女王様と奴隷』のような関係。女王様に男ができようが、奴隷には関係ないし。




場違いな発言をしてしまったことに、いまさら後悔するのであった。



「そうやな。俺には関係ないな」


そう言って、美沙の開けるドアに入った。


一瞬見た、美沙の顔がなんだか暗くて・・・・・・忘れられなかった。


なんでそんな顔するんや?


俺は、お前を傷つけるようなこと言ってないぞ?


むしろ俺の方が・・・。



そうか・・・彼氏に他にも男がいると思われたかもしれないからか・・・?



悪いことしてしまったな。


「美沙、さっきはごめん。俺、彼氏って知らなくてさ。彼氏、勘違いしてるよな?」


廊下を歩く美沙の後ろ姿に話し掛けた。


「別に大丈夫やから」


美沙は、俺の顔も見ずにそう言った。


『別に大丈夫やから』


俺は、勘違いされる相手でもないってことか?


俺は、底無し沼にはまってしまって、出られなくなっていた。





< 47 / 220 >

この作品をシェア

pagetop