【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
美沙の家のリビングに入ると両親たちはすでに出来上がっていた。
ありえないし・・・いつからやってんだか・・・。
俺は、クリスマスパーティーなんて気分じゃなかった。
俺と美沙は、子供のように盛り上がる両親たちを横目に食事をしていた。
食事をして、二人が後片付けを終えた時には、両親たちは酔い潰れて寝てしまっていた。
ありえへんし・・・。
「美沙、父さん達、このまま寝かしてやってくれる?朝になったら勝手に帰ってくるやろうし」
「あぁ・・・うん」
美沙は静かに頷いた。
「じゃあ、俺帰るから」
「あっ、准、待って」
「なんや?」
呼び止めた美沙は、リビングを出てパタパタとどこかへ行った。
なんや?
しばらくして、美沙は片手に何かを持ち、戻って来た。
「准、これクリスマスプレゼント」
予想していなかった出来事に俺の体は硬直し、胸が高鳴るのがわかった。
「俺、何にも用意してないし・・・」
それに彼氏は?
「いいよ。気にせんといて」
手渡されたのは赤色のクリスマスっぽい包装紙でラッピングされている長細い円柱型の物。
手触りは・・・固い。
なんやこれ?
「開けていい?」
「あ、うん」
何ちょっと恥ずかしそうにしてんの?
かわいいし・・・。
いつもそんな風にしてたらいいのに・・・・・・。
高鳴る胸の音がばれないように、冷静を取り繕い、プレゼントを開けた。
「何これ・・・・・・」
かわいい、かわいいラッピングを開けて出て来たのは・・・。