【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~


「何って、消臭スプレー。お部屋用」


いやいやそれは、見たらわかりますから・・・


「なんで?」


クリスマスプレゼントになぜこれをチョイスするかな。


「この前、准の部屋に行った時、なんか臭かったから」


「く、臭いって・・・・・・」


「准さ、割と整理整頓はできてるんやけどさ、窓開けて空気入れ換えてる?」



「・・・・・・」


あんまりしてない。



「だから、これで消臭してね?」


そう言うと、俺の手の中にある消臭スプレーを奪い、酒臭いリビングに噴射させた。


「・・・・・・」


「わかった?」


「はい」


「私ね、このレモンの香りが1番好きやねん。はいどうぞ」



再び戻って来たプレゼントを持って、立ち尽くしていた。



ガチャ
家に戻り、自分の部屋を恐る恐る開け、嗅覚を鋭くさせて、部屋の空気を吸った。


「別に臭くないし」


馴れてしまってるだけか?



シュー


美沙の言い付けを守り、すぐに消臭スプレーを部屋に噴射した。


スプレーからは爽やかなレモンの香りが勢いよく放射状に飛び出て、一瞬のうちに部屋に広がった。



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