【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
はぁぁぁ・・・。
「これどうしよう・・・。
自分の部屋に入ると、手に持っていた紙袋に目をやった。
彼氏がいてるのに・・・渡すべきじゃないよな。
迷惑やんな・・・。
笑い飛ばしてくれたらいいんやけど・・・。
あぁ・・・ドラッグストアで芳香剤でも買っておくんやった。
昨日もらった美沙からのプレゼントを手に取ると、部屋に噴射させた。
レモンの香りに包まれた部屋で、ため息ばかりをついていた。
そんなんじゃない・・・
俺はあいつのことなんか・・・
なんとも思ってない・・・
あんな気の強い女なんか・・・
こっちから願い下げや・・・。
結局 美沙にプレゼントを渡さなかった。
自分で食べた甘いはずのチョコは、なぜかほろ苦く、口を歪ませて笑った。