【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
美沙に会えなくなってから、1ヶ月経っていたが、美沙が俺の家を訪れることはなかった。
学校から帰ると、いつものように美沙からもらった消臭スプレーのボタンを押した。
シュゥ・・・スゥ・・・
「あっ、切れた・・・」
まっ、いいか・・・
ベッドに寝転がり、雑誌を読み始めた。
・・・はぁ。
落ち着かん。
雑誌を床に投げ、勢いよくベッドから起き上がり、上着を羽織り、部屋を出た。
乱暴に階段を駆け降り、リビングにいる母親と美沙の母親に
「ちょっと、出掛けてくる」
と言い、外に出た。
「寒っ」
感情に任せて飛び出して来たが、1月の風の冷たさに我に返り震えていたが、後戻りする気なんてなかった。
何をやってんだか・・・。
そう思いながらも、速足で目的の場所へ向かっていた。