【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
止められなくなった気持ちを押さえるように、俺はリビングにいる美沙の母親に話し掛けた。



「美沙、最近うちに来ないけど、元気?」


俺から聞く初めての言葉に二人は驚いた顔をしていた。


「うん。元気よ。修学旅行委員になったみたいで、毎日忙しいみたい」


「そうなんや」


なんや、彼氏とデートをしてるわけじゃないんや。


「気になるんやったら、会いに行けばいいのに」


笑顔で母さんが茶化す。


「そんなんじゃないから」


「そう?」



二人が怪しげな笑みを零していたので、これ以上詮索されると墓穴を掘りそうだったので、自分の部屋に帰った。

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