【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「これ、リビングのテーブルに持って行ってくれる?」
「わかった」
「ちょっと待って、物を退けるわ」
そう言うと俺を先導するように、リビングへ向かった。
「オッケー。准、ここに置いて」
「はいよ」
皿を置き、立ち上がると美沙が近づいてきた。
えっ・・何?
殴られる?
歯を食いしばり、腹筋にも力を入れた。
来るなら来い!
「准、欲求不満なん?あんなこと他の子にしたら、嫌われるで」
と心配そうな顔をして言うと、再びキッチンに戻った。
はぁ、よかった。
殴られる恐怖から逃れることができた安堵感でいっぱいだった。