【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「准、おはよう!昨日はどうやった?」
次の日の朝、健吾は俺の告白の結果を聞こうと笑顔で寄って来た。
あっ、昨日、告白するつもりやったんや。なんて言ったらいいんやろう。
「あっ、それなんやけどさ」
「どうした?フラれた?」
歯切れの悪い言い方に、痺れを切らし、健吾は答えを要求した。
「昨日は告白してないんや」
「はぁ?お前、あんなに気合い入れて帰ったのに!」
俯き話す俺に迫るように聞く健吾の姿は、おどける様子はなく、本気だった。
そんな健吾の表情を見て、昨日の出来事を話し出した。
「・・・・・・そういうわけ」
俯きながら呟く俺の前で健吾は笑い転げていた。
「何それ!お前らのオカンどうなってるんや?はぁ、笑いすぎて涙出て来た」
涙を浮かべて笑う健吾を見ながら、ため息をついた。
「罠にかかるってどうよな・・・・・」
「はははっ・・・まぁ、母親には何でもお見通しってことやな!」
「はぁ?意味わからんし」
「だから、お前が美沙ちゃんのことが好きって、前から知ってたんじゃねえの?」
「それはないって」
気持ちに気付いたのは、俺だって最近やし・・・。
『あの子ほんま、何考えてるかわからんからなぁ・・・』って言ってたし。
「じゃあ、美沙ちゃんの好きな奴がお前だって、知ってるからとか?」
「み、美沙が?!」
予想もしなかった言葉に唖然としてしまった。