【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
昨日も健吾に同じようなことを言われたので、頭の片隅にあったが、何度言われても驚くばかりである。
「だってさ、どうも思っていない同士をくっつけようとしても無理やん?
でもさ、どっちかに脈があれば、それを応援したいのが母心じゃないか?」
お前になんで母心を語られなあかんねん。
「それに・・・相手が准やからな・・・」
意味ありげな表情をしながら、健吾は俺ことを横目で見た。
「俺がなんやねん!」
何か言いたげな健吾の態度が気に入らなくて、突っ掛かかった。
「だ〜か〜ら〜。准は鈍感やから」
どんかん?
「誰が、鈍感やねん!」
「准」
きっぱりと真顔で言う健吾に、さすがに言い返せなくなった。
鈍感って・・・俺が?
「自分で鈍感ってわかってないくらい鈍感やねんって!」
「鈍感、鈍感って言うな!」
「だって鈍感やもんしかたないやん」
一歩も引かない健吾に何を言っても進まないと感じたびで、折れることにした。